郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

女心と秋の空

別にタイトルのように、

女性一般をそう決めつける気は毛頭ないが、

数年前に交際した女性について、

こういった感じを受けた。

 

彼女は、僕よりひと回り年下だったが、

偶然そうだったに過ぎず、

互いに年齢差は気にしていなかった。

ただ、

極端に会話を苦手とし、

主張することもほぼ無く、

なにかを選択する際は、

全て僕に委ねる形だった。

 

「コミュ障で、気分屋だから」

そう言っていた。

当時、ちょうど夏から秋へ季節は移り、

自然を見に行った。

オリエンタルラジオのあっちゃんを見かけたが、彼女は無関心。

 

そんな噛み合わない2人だが、

本が好きな点は、大きかった。

いつか本に埋もれて暮らしたい。

そう言って文学を語る彼女の熱気は、

魅力を与えてきた。

 

そんな中、

LINEが来た。

「今日、会わなくてよかったですね。リセットする危険性があったので」

時々、何の前触れもなく人間関係を断つ衝動に駆られる彼女は、それをリセットと呼んでいた。

 

ある時は、僕がいるだけで満たされると言い、

ある時は、黙り込んで顰めっ面をしていた。

 

振り回されるという程では無いが、

困難な関係に互いに磨耗して、

冬には何となく自然消滅。

 

彼女は、伊坂幸太郎が好きだった。

 

では、また。