人生とはつまるところ「棚からぼた餅」
なのだと、わたしは思っています。
たとえば、わたしは日本語というもともとある体系を使って、小説というすでにあるスタイルを借り、自分なりに仕事をやっているだけです。
この時点ですでに「棚ぼた」です。
さらに言えば、生まれてきたこと自体が棚ぼたみたいなもの。
棚の上にいつもぼた餅は載っている。そこに気づくかどうかです。
★田中慎弥『孤独論』より
〈こぼれ話〉
今回の内容は、長くなってしまった。
だが、
田中慎弥氏の作家デビューまでの15年があるからこそ、この言葉にリアリティを感じる。