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日常を怯えて過ごす人間の雑記

報道と業『道徳の時間』呉勝浩

ジャーナリストの伏見祐大

彼の住む町で、

名家出身の人物の死亡案件が発生。

また奇怪なイタズラ事件が相次ぐ。

 

そして、同時期に伏見には、

その地、鳴川市で13年前に起きた殺人事件に関する、

ドキュメンタリー映画制作の参加の打診が来る。

 

しかし、そのドキュメンタリー映画制作の背景には、

とある計画が存在していた。

 

それ則ち、

道徳の問題である。

 

※さて、かなりザックリ内容に触れたが、

本作は、

『爆弾』がヒット中の呉勝浩のデビュー作。

第61回江戸川乱歩賞受賞作。

ということで、読んだ。

 

350頁ほどのボリュームに対して、

やや読み進むのが自分としては、

遅くなったが、

様々な謎を確認しながらなので、

妥当かと。

2時間弱、充分に楽しめる。

 

読了後に、巻末の乱歩賞の選評を読むと、

 

池井戸潤

「最後に語られる動機に至っては、

まったくばかばかしい限りで言葉もない」

 

今野敏

「広げた風呂敷のたたみ方がもう少しうまかったら、私の評価も高かったと思う」

 

こうした、厳しい意見が飛び交っていて、

やっぱりプロの世界はスゲ〜なぁ。

そう感じる次第であります。

 

こればかりは、

読んでいただけない限り、

何とも言えないが、

やや、ページを捲る手に重さを感じた。

 

とはいえ、

『爆弾』へと昇華していく呉勝浩の筆致を楽しみながら、

他の呉勝浩作品も拝読します。

 

もう、手元にはあるんですよ。

ワクワク。

是非是非、読んでみて下さい。

 

では、また。