郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

秋雨物語 貴志祐介

貴志祐介の新作が出ている事に、

やや遅れて気づき読了。

4篇からなる奇譚集だが、

2020年の、

『罪人の選択』

同じく短編集であったこちらが、

安定のクオリティだったため、

嬉々として手に取った。

 

帯には、

「生きながら、地獄に落ちるということ」

こう謳われている。

 

ご安心ください。

そこまで恐ろしくはありません。

ただ、この帯は内容を示唆しておりましたよ、

はい。

 

4篇目の、

こっくりさん

この中での、

こっくりさん闇ヴァージョンという表現は、

厨二心をくすぐられるし、

結末もスタイリッシュですな。

そもそも、僕は、

こっくりさん的な、儀式系のオカルト話に目がないので、

貴志先生、有難う御座います。

因果応報の流れで、

ダークネスフィンガーな著者らしい。

 

そして、何より、

1篇目、

『餓鬼の田』

なまらイイでは、

あ〜りませんか。

とある会社員の男女のやりとり。

そこで男性のカルマが描かれる。

僕の様な、冴えない男は、

全部、この作中のカルマのせいにして生きて行けばいい!

というと、角が立つべか?

救済される方もいらっしゃると思うので、

一読あれ。

 

というわけで、あとの2篇は割愛。

読んで頂ければ、楽しめます。

 

貴志祐介作品は、全て読んできたけれど、

『黒い家』

『天使の囀り』

『クリムゾンの迷宮』

あたりだったり、

新世界より

悪の教典

この2作のようなイッキ読みの巨編。

以上の様な傑作、

貴志先生、お待ちしております。 

 

6月頃には、

『梅雨物語』

刊行予定ということで、

必ず買うべ!

 

では、また。