郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

自己史 あの日のこと

僕の憎しみには波がある。

そういう旨の言葉を、僕をよく知る人物から言われる。

その通りだと思う。

何時も何かに不満を抱いている。

その一方で常に感謝もしている。

アンビバレントな感情。

最近の雨にもそうである。

濡れるから非常に不快だが、

窓から眺めると癒される。

視点の違いで、僕の中の世界は変わる。

或いは、世界とは元来そういうものなのか?

答えは分からない。

あの日も、

僕は憎悪に支配されていた。

親しい女性と口論になり、挑発され、

怒りとやるせなさの中で、

物置にあるサンドバッグを支える鉄骨に、

ラジカセのコードを縛り付け首に装着し、

脚立から脚を離した。

苦しくて苦しくて、

脚立に戻ろうとするも、脚の感覚が無い。

そこから記憶が無い。

気付くと病院に居た。

救急の担当医は、

「生きて欲しい」

と言うので、理由を訊いたら、

スルーされた。

やっつけだと感じた。

ここでも憎悪。

その後、隔離病棟に入院し、

電気治療を受けて失われた僕の記憶の断片、

そこには、感謝もあっただろうか。

今は謎である。

では、また。