東北で〈拝み屋〉を生業とする作家がいる。
郷内心瞳、その人である。
今までに怪談ジャンキーと自称しながら、
郷内さんの事は書いてこなかったのは、
【よく分からないから】
良い意味でそういった内情に由来する。
郷内さんの怪談を読む。
安定の筆力に、時にはブチギレるワイルドな人間性。
何より、拝み屋という響きに喚起される胡散臭さなどは、徹底して否定。
地味な仕事であり、
超能力の類などでは無いと自ら断言なさる。
しかし、
怪談を読むと、尋常ならざる事態に巻き込まれる郷内さん。
その満載感をどう伝えてイイか?
僕の筆力では、甚だ心許ないという訳だ。
『お不動さん』
この短編から読ませて頂いているが、
やはり、
『花嫁の家』は外せない一冊であろう。
忌まわしき系譜が、
拝み屋郷内を追い込むのだが、
怪談でありながら、
アクション、ヒューマニティ。
恐怖の中に、
例えば横溝正史ミステリが合わさる。
そんな感触。
また、ラノベの如き人物もいる。
言い得て妙。
そう絶賛したい!
そんな訳で、拝み屋怪談を身勝手に評価するのも憚られるが、この辺で失敬。
ちなみに、
ドラマ化もされていること、
郷内さんの体調が芳しくないこと、
それも、
書いておきます。
郷内心瞳氏が、
十万分の一の確率で出会うと仰った怪異に、
読者として触れながら。
では、また。