カント哲学研究で知られる、
坂部恵氏。
氏の1976年の著書2冊。
『理性の不安』
『仮面の解釈学』
こちらの新装版も改めて読んだ。
さて、今回は旧版から新装版を経て、
『仮面の解釈学』
個人的な捉え方をざっくり。
まず、序章の熊野純彦氏の一文を挙げる。
「本書『仮面の解釈学』もまた、
生と死、
覚醒とまどろみ、
現実と夢のあわいを問うている。」
そして、坂部氏は冒頭、
「わたしたちは、もはや、あるいはまだ、〈仮面〉に対する生きた感覚をもたない。」
こうした上で、
真実や絵空事としての仮面という考えを、
偏見だと断ずる。
また、
和辻哲郎氏の『日本語と哲学の問題』
この本に於ける、
日本語による思索者の誕生への希求。
坂部氏はそちらに呼応するかの如く、
西洋思想等に対してあくまで日本的視座を以て考えていく。
以上、
僕の解釈、説明は心許ないが、
『仮面の解釈学』
本書の坂部恵氏のアプローチは、
爽快でいて、繊細、
その功績は大きい。
そんな風に、僕は無い頭で考える。
では、また。