昨年2022年の読書の中で、
熟考させられた本のひとつに、
御田寺圭
『ただしさに殺されないために』
こちらがあった。
「多様性の名のもとに排除し、自由、平等を謳って差別する、美しい社会の闇の底へ」
この帯から既に妖気の様な力を感じる。
「私はごく普通の白人男性で、現在28歳だ」
冒頭のこの言葉は、
2019年3月、ニュージーランド南島にあるクライストチャーチのモスクで、
100人ほどもの死傷者を出した銃撃事件の犯人のもの。
そして、著者は30篇の話題を挙げ様々な問題に言及していく。
実をいうと、僕の記事にはこの本に依る内容もいくつかあり、影響下にある。
現代社会に於ける多様性の歪みを、
痛感した様に思うし、
自分が如何様に物事を捉えてきたか?
そういった内省も持つことが出来た。
敢えて、この本の目次紹介や詳述は避けるが、
読み手の解釈に委ねたい。
多様性とは便利で汎用性の高い括りだ。
だが、そこからこぼれ落ちる部分や、
弊害、無視できないと僕は思う。
冒頭の銃撃犯の言葉に違和感を覚えた方は、
是非是非。
では、また。