郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

『生きてるだけで、愛。』 本谷有希子

本好きの秘密基地

はむちゃん様の記事にて知り、ポチり。

瞬殺で読み終わる快作!

 

唐突だが、僕は人生で数十回、

ヴィレッジヴァンガード で働けば?

こう言われた経験がある。

そして、もひとつ。

現座進行形で病んでいる。

 

さて、

本書の主人公は、そんな僕にとって極めて共感できるキャラ。

 

鬱状態で、過眠症、

津奈木という年上の編集者の部屋に、

住み着いている、25歳の女性。

強烈な個性を秘めた彼女の、

津奈木へのムズムズする想いが刺さる。

恋人同士、

心身共に消耗し、グダグダになりたい!

一方的ではなくて。

その状況。

津奈木にだけ、

自分とつながり合える瞬間。

その奇跡的とも言える刹那。

それを願う感情が、

本書の装丁の葛飾北斎の絵の逸話とリンクする。

これは、

読んでいただきたいです。

その時に、

北斎の絵にシンパシーを感じるならば、

きっと本書を大切にしたくなるかと。

 

はむちゃん様が、

より正確且つ見事に書評してらして、

恐縮ですが、

文体がオモロ〜

表現の妙理でぐいぐい読める。

100ページほどの分量。

 

読みながらニヤついた一冊。

是非、読んでみて下さい。

 

はむちゃん様に、感謝。

 

では、また。