ブログ『ちわぷ〜の書評ブログ🐶』
こちらの、ちわぷ〜様から、
時代小説をご指南いただき、
従兄弟に、『じんかん』
自分用に、『塞王の楯』
ご紹介頂いた中から、手始めにこの2冊。
注文して、就寝。
夜中に目が覚めて、
『村上海賊の娘』
『へうげもの』
これらも、近々と思いながら、
書棚の整理をしていて、
『天帝妖狐』乙一
赤い装丁の新書が出て来た。
僕は、もはや見つからない本が出るくらいに、
蔵書が膨れ上がってしまい、
意識しないと読了後に行方不明の本が出る。
懐かしいな。
そう思いながら、この新書を捲る。
すると、遠い日の記憶が浮かび上がる。
もしかしたら、
過去の記事に書いた可能性もある。
ただ、今一度向き合いたい。
さて、本題に移ろう。
あれは、僕が中学生の時分。
放課後になっても、
クラスは割と賑やかで、まだ帰宅せずに余韻に浸る様に談笑する者が多かった。
僕はというと、
虐められていたりしたので、
帰る事を考えて、ささっと準備。
そんな中で、何となくクラス内で、
ザワザワと集まっている一団がいた。
チラッと見る。
女子生徒が、机を囲み、何かやっている。
僕は、集中してその様子を捉えて、
流行りの遊び、
「コックリさん」だとわかった。
周りには言わなかったが、
僕は生粋のオカルト少年だったので、
どうしても気になる。
だが、
意見発表会で、
「最近の国防論争について」
という、尖った発表をして軽くボコられた時期だったので、
男子、女子、共に帰路につき、
コックリさんメンバー以外が居なくなるまで、
何とか待った。
そうして、夕暮れ時になり、
クラスは、閑散として、
コックリさんメンバーだけが残り、
僕は、机にノートを広げて何か書いている体で様子を伺っていた。
通例通りの流れで、女子がコックリさんを続けている。
僕は、疑われないか心配したが、
中1で、英検と漢検の2級に合格し、
ボコられたり、風評被害に遭いながらも、
教師には期待されているのは知られていたので、自習していると認識された。
と、思う。
小一時間経ち、
女子がコックリさんを辞めて、
帰るという流れになった。
僕は、何かを期待したが、
まあ、こんなもんかと、
自分の首のアザや、
引っ張られた耳の痛みに意識を向けていた。
そんな時だった。
女子が叫び椅子が倒れ、
1人が机に上がり、
ケモノの様に手足で体を低く構えている。
残りの女子の悲鳴に、
教師が駆けつけて、
巨躯の2名が揃う。
1人は、スパルタ英語教師のS。
もう1人は、運動好きの数学教師のM。
共に180センチ超のガタイ。
ケモノ女子は、唾液を垂らし。
跳躍したが、
2名の大人が抑え込みにかかった。
しかし、
中1の少女の力で、吹き飛ばされた。
その場には、最早、
ケモノ女子と僕しか残っていない。
僕は、登校して成績を上げても、
また、自身の主張を発しても、
周りからは、傷つけられるだけ。
だから、眼前のコレが何であろうと、
上等ではないか。
てゆうか、パンツ丸見えだなコイツ。
そんなことを考えていた。
我ながら、どうかしている。
何か危害を加えられるわけでもなく、
その女子は、ピョンピョンと、
何処に去っていった。
そして、翌日。
学校での、コックリさんの禁止が、
集会で発表された。
あれから、20年以上経つが、
僕は集団ヒステリーだと思っているし、
あの女子も普通に生きているはずだ。
ただ、ひとつだけ、
ケモノ女子の眼の鈍い光が、
今でも忘れられない。
もし、あの遊びが何かを呼び出す儀式。
その様なモノだったならば、
異界と常世は、
自分達が思う以上に近いのかもしれない。
そんな体験が、あった。
では、また。