郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

遠い日のあれは、降霊術だったのか?

ブログ『ちわぷ〜の書評ブログ🐶』

こちらの、ちわぷ〜様から、

時代小説をご指南いただき、

従兄弟に、『じんかん』

自分用に、『塞王の楯』

ご紹介頂いた中から、手始めにこの2冊。

注文して、就寝。

夜中に目が覚めて、

村上海賊の娘

へうげもの

これらも、近々と思いながら、

書棚の整理をしていて、

『天帝妖狐』乙一

赤い装丁の新書が出て来た。

僕は、もはや見つからない本が出るくらいに、

蔵書が膨れ上がってしまい、

意識しないと読了後に行方不明の本が出る。

 

懐かしいな。

 

そう思いながら、この新書を捲る。

すると、遠い日の記憶が浮かび上がる。

 

もしかしたら、

過去の記事に書いた可能性もある。

ただ、今一度向き合いたい。

 

さて、本題に移ろう。

 

あれは、僕が中学生の時分。

放課後になっても、

クラスは割と賑やかで、まだ帰宅せずに余韻に浸る様に談笑する者が多かった。

僕はというと、

虐められていたりしたので、

帰る事を考えて、ささっと準備。

 

そんな中で、何となくクラス内で、

ザワザワと集まっている一団がいた。

チラッと見る。

女子生徒が、机を囲み、何かやっている。

 

僕は、集中してその様子を捉えて、

流行りの遊び、

「コックリさん」だとわかった。

 

周りには言わなかったが、

僕は生粋のオカルト少年だったので、

どうしても気になる。

だが、

意見発表会で、

「最近の国防論争について」

という、尖った発表をして軽くボコられた時期だったので、

男子、女子、共に帰路につき、

コックリさんメンバー以外が居なくなるまで、

何とか待った。

 

そうして、夕暮れ時になり、

クラスは、閑散として、

コックリさんメンバーだけが残り、

僕は、机にノートを広げて何か書いている体で様子を伺っていた。

 

通例通りの流れで、女子がコックリさんを続けている。

僕は、疑われないか心配したが、

中1で、英検と漢検の2級に合格し、

ボコられたり、風評被害に遭いながらも、

教師には期待されているのは知られていたので、自習していると認識された。

と、思う。

 

小一時間経ち、

女子がコックリさんを辞めて、

帰るという流れになった。

 

僕は、何かを期待したが、

まあ、こんなもんかと、

自分の首のアザや、

引っ張られた耳の痛みに意識を向けていた。

 

そんな時だった。

女子が叫び椅子が倒れ、

1人が机に上がり、

ケモノの様に手足で体を低く構えている。

 

残りの女子の悲鳴に、

教師が駆けつけて、

巨躯の2名が揃う。

1人は、スパルタ英語教師のS。

もう1人は、運動好きの数学教師のM。

共に180センチ超のガタイ。

 

ケモノ女子は、唾液を垂らし。

跳躍したが、

2名の大人が抑え込みにかかった。

 

しかし、

中1の少女の力で、吹き飛ばされた。

その場には、最早、

ケモノ女子と僕しか残っていない。

 

僕は、登校して成績を上げても、

また、自身の主張を発しても、

周りからは、傷つけられるだけ。

 

だから、眼前のコレが何であろうと、

上等ではないか。

てゆうか、パンツ丸見えだなコイツ。

そんなことを考えていた。

我ながら、どうかしている。

 

何か危害を加えられるわけでもなく、

その女子は、ピョンピョンと、

何処に去っていった。

 

そして、翌日。

学校での、コックリさんの禁止が、

集会で発表された。

 

あれから、20年以上経つが、

僕は集団ヒステリーだと思っているし、

あの女子も普通に生きているはずだ。

 

ただ、ひとつだけ、

ケモノ女子の眼の鈍い光が、

今でも忘れられない。

 

もし、あの遊びが何かを呼び出す儀式。

その様なモノだったならば、

異界と常世は、

自分達が思う以上に近いのかもしれない。

 

そんな体験が、あった。

 

では、また。