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日常を怯えて過ごす人間の雑記

ギミックがギラギラ光る『火のないところに煙は』芦沢央

まず、言い訳を。

レビュー。

ストーリーを詳述しないのは、

僕の考え方に依ります。

この本の読書会での、

「本好きの秘密基地」はむちゃん様

読子の本棚」本田読子

ご両名の記事では、

おそらくバッチリ内容にも言及がなされている。

そう思いますが、

そこは、僕は異なるし困難。

情けないですが。

 


さて、始めたい。

 


作家の〈私〉が関わる怪異奇譚集。

それらが、最終的に繋がり、

ある形へ結実していく。

怪談とミステリの、

TWO-MIX

 


実にオモロ〜な作品だった。

芦沢央氏の作品は、

デビュー作

『罪の余白』

これしか読んでいなかったが、

解説にあるように、

新耳袋』を代表とする実話怪談好きとして一気に読了。

 


何が秀逸かって、

このタイトルと使用法。

全編に通底する、

現象の起因からプロセス、

そして結果への、

著者のアプローチ。

 


また、密教の符や曼荼羅にもある、

梵字サンスクリット文字

盛り塩

などなどの周到な小道具もオカルト好きのハートを掴む。

 


怪異と論理の衝突。

とでもいおうか。

この2つの因果にも注目。

 


最後に僕は再び、

『火のないところに煙は』

このタイトルを眺めて、

唸らされた。

 


ミステリとしても良いなぁ。

 


解説に列挙されていた、

関連書である、

他の作者の作品群の殆どが、

既読のものだった。

 


タイトル買いのつもりで手にした本書だったが、やはり、

 


火のないところに煙は.....

 


以上、雑なレビューでした!

 


では、また。