春日武彦氏の新刊が出たので、即買いした。
黄色い装丁のソフトカバーに、
自殺帳
このタイトルで、引いたかというと、
それは全くNO。
春日センセイの本だから、
一筋縄では行かないしタイトルは気にしない。
本書は、自裁者を憐れみ背中を押してくれる類の啓発書でも医学書でも無く、
精神科医、春日武彦が様々なサブカル知識や、分析を通してみずから命を絶つ人々について考察する或る種のエッセイめいたものである。
春日センセイは、
そのシニカルな姿勢と洞察力に、キッチュなモノへの嗜好が合わさる稀有な精神科医、
だと思う。
だからこそ、
僕はそんな春日センセイの本が好きだ。
今回も、自裁者のエピソードに、
著者の、広範にわたる知識が絡まり、
一気に頁を捲らされた。
僕は、自裁者に何か出来ないか?
『そんなもん、無いよ』
きっと春日武彦は言うだろう。
でも、春日センセイは、
信念の人だと思う。
それを、ひけらかしたりは決してしないが。
あとがきに、
春日センセイが臨床の場を辞すとあった。
残念だ。
ただ、執筆活動は続けてくれると感じるので、
また、楽しみにしている。
最後に、春日武彦氏の長年に渡る医学者としてのスタンスに敬意を表します。
では、また。