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日常を怯えて過ごす人間の雑記

『悪の芽』貫井徳郎/屋根裏の内緒話

⭐︎書評ブログ⭐︎

 

読子の本棚     本田読子

本好きの秘密基地  はむちゃん様

 

読書会 【屋根裏の内緒話】

 

読子さんとの2人体制。

 

はむちゃんは、出産の関係で待機なので、

無事を祈ってるぜ!

 

選書は、ニードル

 

課題図書

 

『悪の芽』貫井徳郎

 

始めさせて頂きます。

 

〈概要〉

 

貫井徳郎さんというと、

『微笑む人』が鮮烈だった。

もうベテランの方。

安定感を期待して、

課題図書を読み始めた。

 

〈本題〉

 

アニメコンベンション、

通称アニコン

その会場にて火炎瓶を使った大量殺人が発生。

その後、犯人は自ら命を断つ。

現場に居合わせた、亀谷壮弥は、

一部始終をスマホで撮影し周囲から注目を集め、

コスプレイヤーの果南と親しくなる。

 

一方、

報道により犯人が、斎木均 41歳 無職

判明。

 

かつて斎木を虐めに追い込んだ、

銀行員の安達は、

斎木の動機を探り始める。

 

何故、アニコン

また、自分達の影響か?

 

事態は、斎木の絶望の深淵へと向かう。

 

 

〈総括〉

 

斎木の犯行が悪なのは否定出来ない。

しかし、

その動機を知るとやるせない、

というか歯痒さをおぼえた。

キャバクラで働くシングルマザーの子供が、

心臓を患い、多額の手術資金がかかる。

それを知った斎木の、

善意からの絶望。

そのフォール。

 

虐めや性差や社会的スペックにより、

加害者と被害者

罪と罰

欺瞞

著者の問題提起がズシリとくる。

詳しくは、ご一読ください。

 

読了して僕が感じたのは、

取りも直さず絶望であった。

 

 

では、また。