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日常を怯えて過ごす人間の雑記

屋根裏に誰かいるんですよ。

10月6日に、春日武彦の著書が復刊される。

『屋根裏に誰かいるんですよ』河出書房新社

本書は僕にとって、

春日先生の読書体験の1冊目であった。

『家屋と妄想の精神病理』河出書房新社

という増補版も持っているが、

2冊とも軽くレアなので、

書棚から出したくない。

その為、記憶を辿りざっくり説明させて頂く。

 

まず、このタイトルは、

江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』に、

由来していて、

なんとも興味を惹くものだ。

 

主に高齢の独居老人にみられる、

一種のパラフレニー、

妄想による病理についての春日医師の著書。

 

僕の祖母も、似たような症状になり、

自室に毒ガスを撒かれている。

米を撒いていく者がいる。

といった妄想に襲われた。

 

診察結果は、

レビー小体型痴呆、認知症

デイサービスでの、

他者との交流や、クスリにより、

緩和したのが幸いである。

 

さて、本書には昔の精神疾患者を、

なかば幽閉していた記録も、

載っていた。

座敷牢

ご存知だろうか?

かつては、精神疾患者は、

狂人として家屋の中で、

牢屋に入れられたケースが多々あるという。

 

小野不由美の著書を原作とする、

竹内結子主演の映画

残穢

本作でも出てくるのだが、

霊云々よりも、

そういった因習の方に、

僕は慄然とした。

 

文庫として復刊された際は、

読んでみていただきたい。

 

では、また。