貴志祐介の新作が出ている事に、
やや遅れて気づき読了。
4篇からなる奇譚集だが、
2020年の、
『罪人の選択』
同じく短編集であったこちらが、
安定のクオリティだったため、
嬉々として手に取った。
帯には、
「生きながら、地獄に落ちるということ」
こう謳われている。
ご安心ください。
そこまで恐ろしくはありません。
ただ、この帯は内容を示唆しておりましたよ、
はい。
4篇目の、
『こっくりさん』
この中での、
こっくりさん闇ヴァージョンという表現は、
厨二心をくすぐられるし、
結末もスタイリッシュですな。
そもそも、僕は、
こっくりさん的な、儀式系のオカルト話に目がないので、
貴志先生、有難う御座います。
因果応報の流れで、
ダークネスフィンガーな著者らしい。
そして、何より、
1篇目、
『餓鬼の田』
なまらイイでは、
あ〜りませんか。
とある会社員の男女のやりとり。
そこで男性のカルマが描かれる。
僕の様な、冴えない男は、
全部、この作中のカルマのせいにして生きて行けばいい!
というと、角が立つべか?
救済される方もいらっしゃると思うので、
一読あれ。
というわけで、あとの2篇は割愛。
読んで頂ければ、楽しめます。
貴志祐介作品は、全て読んできたけれど、
『黒い家』
『天使の囀り』
『クリムゾンの迷宮』
あたりだったり、
『新世界より』
『悪の教典』
この2作のようなイッキ読みの巨編。
以上の様な傑作、
貴志先生、お待ちしております。
6月頃には、
『梅雨物語』
刊行予定ということで、
必ず買うべ!
では、また。