郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

野犬/SALVAGE

大学時代。

坂の多い海沿いの小都市。

下水の匂い、

バイク移動者の活気、

不便だが、愛しい記憶である。

 

カラオケも、映画館も、TSUTAYAも無い。

僕らの青春はそんな環境下。

 

朝まで騒いで、

ゴミは山の如し!

 

毎夜、時間を無視して友人とゴミ出し。

 

と、或る時から貼り紙が。

「野犬が出るので時間を守って下さい」

そんなニュアンスだったと思う。

 

しかし、

僕らは若く、マナーも悪くて無視。

その後も時間は守らなかった。

 

そして、しばらく経った。

夜中、

友人のI君とゴミ捨てに。

ただ、

いつもと違う場所の公園へ。

 

帰路に着く頃はまだまだ深夜。

ブランコに座っていた僕ら。

 

そこに、

野犬の群れが現れた。

10頭位か、それ以上はいたと思う。

マジか?

そんな光景は、

マンガでしか見たことが無かった。

「流れ星銀」とか。

 

果たして、

僕らは無傷で帰還する事が出来た。

部屋には、

他の友人が数人おり、

レポートを書いたりギターを弾いたり。

 

兎にも角にも、

どう逃げたのか分からない、

そんな野犬との一幕。

 

それ以来、

ゴミ出しは、綿密に考えて行っている。

 

では、また。