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日常を怯えて過ごす人間の雑記

『宝の山』水生大海/屋根裏の内緒話

★書評ブログ★

 

読子の本棚     本田読子

本好きの秘密基地  はむちゃん様

 

僕の事情で、長らく延期で恐縮ながら、

今回も、

読子さんとの2人体制での読書会。

 

屋根裏の内緒話

 

課題図書

 

『宝の山』水生大海

 

選書はわたくしニードル。

 

では、始めさせて頂きます。

 

〈概要〉

 

著者が、漫画家でもあるとか!

鮮やかな朱色の帯、

知らない作家さん。

読みたいと思っていたら、

病院内の書店で、再会。

天啓か?

 

〈本題〉

 

東の山には、鬼蜘蛛がいて生き血を喰らう。

西の山には、鬼百足が待ち肉を食む。

人身御供を差し出して過ごす村に、

とある僧侶がやって来て、

己を白蛇に変えて退治し死亡。

 

そういう伝説が残る旧温泉地。

震災で温泉は止まり、

残るは、厭な因習ばかり。

狭い集落で、噂やら陰口やらが飛び交う。

 

そんな中で生きる主人公の、希子。

叔父叔母の介護をしながら、

実直に生きて、

結婚を控えている。

ところが、その村のPRの為のブロガーが、

消えてしまう。

という走り出し。

 

村の老人とか、希子の婚約者とか、

割と絶望的な時代錯誤のミソジニー

そこに現れるスーパー高校生の耀くん。

彼と希子がタッグを組んで事件に迫ってゆくのだが。

 

〈総括〉

 

ライトな横溝正史っぽくもあり、

カルトな集団もチラリ。

最後は主人公のレベルアップ。

総じて、

一つのセクション、ポリスに順応することは、

重要なのだが、

なのだが!

視野狭窄にはなりたくないものだ。

希子の様に真面目だと尚更。

 

閉ざされた環境に息が詰まる方。

簡単ではないけれど、

新天地へGOᕦ(ò_óˇ)ᕤ

といっても準備が大切。

 

今回も、読子さんの解釈が楽しみ、

あざす!

 

では、また。