郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

忘却の時間

本年も残りわずか。

食事を済ませて、やや重い体をソファに預ける。

電灯を消して、

瞳を閉じて暗闇と静寂に浸かる。

 

自身の中の、ドロドロとした渦巻を鎮める。

今年の闇は、

今年の病みは、

ひとまず、身から外す。

 

思えば、母は忘却の人だった。

良くも悪くも。

 

苦境を騙し騙し乗り越えるパワー。

確かにあった。

一方で、ポジティブな発言を一転させネガティブな人間に早変わりする人物。

 

ドキュメンタリーを観て、

生きている有り難みに涙したかと思えば、

次のタイミングでは、

愚痴を連発。

 

そんな母なので、

僕は一層悩み、ポジティブでいなければと苦しんだ。

勿論、感謝も多々あるが。

 

あまり、というか全く口外しなかった習慣。

それが、年末の黙祷の時間である。

 

空手道場でも、長年やっては来た。

まあ、道場では正座。

 

そして、今年も、

この静かな儀式を人知れず行う。

 

では、また。