22歳の頃だったと思う。
僕は大事な友人を失った。
亡くなったわけでは無い。
連絡が、一切取れなくなったのだった。
当時は、まだLINEも普及しておらず、
ブロックや、既読スルーといった概念は無かったので異変には気付けない。
それは唐突。
ある日からぱったり連絡が途絶え、
ご家族とも話せない状態。
その友人は当時、
年上の女性にかなり熱をあげており、
ブランド品などを貢いでいた。
そして、
その関係に暗雲が立ち込め始めていた。
この事情との因果関係は定かでは無い。
しかし、それ以外に決定的な理由が分からない。
それからの10余年。
最初の数年は、
夢にその友人が出続けていた。
再びつるめると思ったら、
夢。
しかし、更に年を重ねる内に、
次第にそういった夢を見る頻度も減っていった。
ただ、忘れられないのが、
その友人と連絡が途絶えた時、
当時の或る夜。
空に、異様に光る恒星を見た。
ではないが、凶々しい炎が強く燃える様に、
光っていた。
あれは何だったのか?
その答えは分からない。
しかし、
あの夜に目にした赤い星を、
僕は、忘れられない。
そんなノスタルジアと緊迫感。
ふと、夕暮れの空の、
マジック・アワーを見ながら蘇る。
では、また。