郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

昏く重いバトル漫画 『軍鶏』

成嶋亮 16歳。

成績優秀、学業に優れた少年。

ある夏の日にリョウは、

両親を滅多刺しにする。

社会問題になった凶行により、

彼は、僻地の鑑別所に送られた。

そして、そこにはヒエラルキーがあり、

リョウは、親殺しとして狙われるが、

ある時、

空手の指導官を務める人物と出会う。

黒川健児という、

壮年の男である。

 

さて、

ここから物語は進んで行くのです。

まずそのオジさん、なまら強い。

空手の達人で、囚人でもある。

 

リョウは、

生き残るべく空手を獄中で学び、

荒涼たる社会に、修羅となり、

放たれます。

人格や、目つきから技に肉体、

ガラリと変わり、

男娼として、お金を稼ぎながら、

反社会勢力と繋がり、

ある時は、空手団体に挑戦を挑んだり、

海外で武者修行を敢行。

まさに、鬼と化していきます。

 

原作者とイラスト担当者の問題もあり、

連載が止まったりしましたが、

完結しております。

 

バイオレンス描写、性描写が多く、

万人に薦められる作品とは言い難い。

しかし、

バトル漫画を読み込んで行くと、

この作品を避けては通れませんでした。

僕は。

 

生き残るツール、

武術の先にある業。

これが生々しく描かれます。

 

勿論、エンタメとしての要素もあり。

異種格闘技トーナメント戦、

空手大会なども、アツいっす!

 

黒道着集とかいう、

闇の空手家集団やら、

サンボ、

中国武術に、柔道など、

あ、

あと暗器の使い手とか。

兎に角、

バトルも素晴らしい。

 

だが、成嶋亮に共感できるか?

それは、疑問符が付くところ。

 

罪と罰を、バトル漫画として描いた本作の、

功績を鑑みるに、

一読する価値はあるかと。

何度も言いますが、

万人受けはしないと、

児童には読ませない方が無難かと、

そう私見として言っておきます。

 

空手を練習していた若い頃、

あの時期の武道に対する恐怖と、

よく分からない愉悦感。

 

僕の人生のある時期の根底に、

『軍鶏』は、ありました。

紛れもなく。

 

人の生き死にや、性。

リアル漫画。

いきなりスーパーマンのイケメンが、

正義の鉄槌で悪を砕く的な漫画、

では決して無く、

主人公も、アンチヒーロー

ともすればヴィラン

 

空手やノワール映画が好きな、

そこのあなた、

ちょっと面白い漫画あるから、

読んでみてくれやしないか?

 

そう言いたくなる。

狂気とエンタメが混在する。

 

機会があれば、

読んでみてはいかがでしょうか?

 

では、また。