性被害のニュースが、
またひとつ。
元陸上自衛隊員の五ノ井里奈さんの件。
それに際して、
僕は、まだ手元にある未読書、
『性暴力をめぐる語りは何をもたらすのか』
この書籍を読んだ。
著者の前之園和喜は、
加害者の他者化のひとつとして、
「異常者」としての加害者へのラベリングを挙げている。
これにより、
一部の異常な人間によるものとして、
自分たちは無関係だという視座を生み出し、
過去の言動や、将来の言動から、
性暴力を切り離す。
という旨の話をしていた。
これは、僕自身も血が凍る。
そして、
前之園氏は、
この研究の発端として、
「男性」を公言する人びとが、
メディアに登場する性暴力加害者を、
威勢のよい言葉で批判することで、
性暴力と自分たちを完全に切り離していることに疑問をもって、
こう述べていた。
僕が性暴力という問題に対して言及する中で、
こうした自己の正当化が無かったと、
言い切れるだろうか?
答えはNOである。
自身にも、セクハラめいた発言が、
あった様に思うからこそ、
この問題に目を向けているのだと思う。
これからも、
自己を除いて語るのではなく、
反省や懸念、予期を忘れずに考えていく。
それを抜きには、
性暴力は語れないと自らに言い聞かせる。
では、また。