中島義道氏の著書には、
一貫したテーマがあり、
『たまたま地上にぼくは生まれた』
『人生に生きる価値はない』
『どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?』
などなど、
死生観についての、ニヒリズム。
それも、前向きな形での思索の内容。
こうした本も書いてらっしゃる。
個人的には、
『孤独について』生きるのが困難な人々へ
こちらに、強く刺激を受けた。
中島義道さんは、
自分の不安を誤魔化して、
生き続ける事を許さないが、
死ねという訳ではない。
中島さんは、明るいニヒリスト。
さて、10代の悩める方々には、
そんな中島義道の一冊、
『きみはなぜ生きているのか』偕成社
こちらを、オススメしたいです。
内容は、詳述しないが、
生きるのがつらくなった15歳の少年に、
ニーマント
という人物から5日に1通、
手紙が届く。
ひきこもった少年は、
ニーマントの手紙をキッカケに、
自身の内実を探りはじめる。
未来
過去
現在
死
これらを、
ニーマント、
そして主人公のクライ君、
手紙によるファンタジーが展開される。
あくまで、
思考ファンタジーなので、
SF要素などは無い。
この本は、字も大きく挿画も入っている。
さらには、200ページもない為、
読み易い。
かといって、幼稚などではない。
中島義道哲学を、
悩める若者に届ける為の、
ギミックであると僕は思う。
冬が終わるまで、
春が来るまで、
夜が明けるまで、
朝に向かって、
悩みを緩和し、真摯に向き合っていく。
その縁になる一冊ではなかろうか。
そして、読了したら、
「自己欺瞞」
このワードがズシリと来るはずだ。
生きるのが困難な自分から
生きるのが困難な誰かへ
では、また。