以前、知人宅で鍋をした。
そして、
ひと段落ついて、まったりと寛ぎ。
TVバラエティを眺めていた。
そんな時、
ふと知人が口を開いた。
「実はさ」
なんの雑談かな?
なんて軽く考えていると、
彼の声が震えている。
話は自裁にまつわる話であった。
彼は冬のある日に、
ふと死にたくなった。
そして、
パジャマ姿で、近くの森に入り、
ODをしてスマホを川に捨て、
冬の氷点下の中で、
意識を絶った。
しかし、彼の命は絶たれなかった。
発見されて、
二日間の昏睡状態、
胃洗浄に投薬。
「死ぬ様な人には見えない、だって」
そうナースに言われたと笑う彼に、
やや怒りを覚えたが、
苦しみやタイミングもあったのだろう。
僕は、死にかける人によく遭う。
そして、
死んだので無く、
死にかける段階で良かった。
そうも感じる。
冬は、メンタルまで凍てつかせる。
死とは、唐突に人を引き込む。
冬と死。
僕はどうだろう。
では、また。