郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

冬と死

以前、知人宅で鍋をした。

そして、

ひと段落ついて、まったりと寛ぎ。

TVバラエティを眺めていた。

そんな時、

ふと知人が口を開いた。

「実はさ」

なんの雑談かな?

なんて軽く考えていると、

彼の声が震えている。

 

話は自裁にまつわる話であった。

 

彼は冬のある日に、

ふと死にたくなった。

そして、

パジャマ姿で、近くの森に入り、

ODをしてスマホを川に捨て、

冬の氷点下の中で、

意識を絶った。

 

しかし、彼の命は絶たれなかった。

発見されて、

二日間の昏睡状態、

胃洗浄に投薬。

「死ぬ様な人には見えない、だって」

そうナースに言われたと笑う彼に、

やや怒りを覚えたが、

苦しみやタイミングもあったのだろう。

 

僕は、死にかける人によく遭う。

そして、

死んだので無く、

死にかける段階で良かった。

そうも感じる。

 

冬は、メンタルまで凍てつかせる。

死とは、唐突に人を引き込む。

 

冬と死。

僕はどうだろう。

 

では、また。