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日常を怯えて過ごす人間の雑記

インセストという禁忌

〈初めに、この記事は被害者の方にとって、

フラッシュバックを引き起こす恐れがありますので具体的描写は避けますが、

体調等にお気をつけ下さい。〉

 

僕がインセストという言葉を初めて知ったのは、10代の半ばであった。

この意味は、

近親姦

誤解として近親相姦と云われるが、

相互的では無い為、

全く異なる。

 

思春期に、友人から回ってくるAVなどには、

親子による関係の企画物が存在したが、

非常に危険だと今は感じる。

 

そもそも、

民法734条に於いて、

すべての直系血族または、

3親等内の傍系血族の間での結婚が禁じられているのは、

インセストによって生まれてくる子供に、

障害等の問題が起こる可能性が懸念されるからでもある。

 

更に法律でいえば、

2017年7月13日、

明治40年に制定された刑法177条、

強姦罪が110年ぶりに改正され、

強制性交等罪として施行。

まだまだ、甘いが、

親から子への性虐待も処罰の対象になった。

 

そんななか、

2020年、

日本民間放送連盟賞、

テレビ・グランプリ受賞作品、

『がらくた 性虐待、信じてくれますか』

このドキュメンタリーが放送された。

 

被害者の女性に密着し、

精神の深い傷、

母親の無理解に拒絶反応、

信じてもらえない現実が記録されていた。

 

取材班による性虐待加害者へのインタビューでは、

「遊びの延長」

「拒まなかったから」

と、ヘラヘラ答える反省の全く感じられない父親が映し出され、憤りを感じた。

こうした背景として、

21.1%という再犯率があるという。

 

近年のME TOOの流れで、

種類は、増えてはいるものの、

まだまだ、

この問題に関する書籍や、

メディア媒体は少ないと感じる。

 

そして、最も悲惨な事は、

インセストだけでも沢山の悲劇を生んでいるのに、性暴力というものは、

さらにもっともっと複雑で、

広い問題であるという現実。

 

僕が、この問題に目を向けることとなった強い契機は、

以前の記事に書いた、

mixiでの被害女性との対話であったが、

気づく事なく、

歪んだ欲望を増大させ、

性暴力に走る加害者に絶対にならなかったとは言い切れない。

たまたま危機意識が芽生えたが、

僕は、聖人君子でも無いし、

病んでいるのだから。

 

さらに、

女性だけが被害者では無く、男性にも被害者がいる事も忘れてはならない。

以前、

壮年の男性が、少年期に宣教師の男性によって被害を受けた事を涙ながらに語っていた。

この衝撃的な事実も、一例に過ぎない。

 

性暴力の問題について、

僕の様な市井の民では太刀打ち出来ない限界が当然ある。

専門家の方々による対応や、

自助グループへの参加など、

自らを守る結界として、

機能するものは、利用すべきだと思う。

それも、大変勇気がいるが。

 

では、また。