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日常を怯えて過ごす人間の雑記

【本好きのタイマン】第3ラウンド/『オテル モル』栗田有起

書評ブログ「本好きの秘密基地」

 

はむちゃんとの読書会。

 

【本好きのタイマン】

 

第3回 課題図書 『オテル モル』

 

さて、始めたい。

 

まず、

 

地下13階 99部屋

会員制地下ホテル

オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン

 

この風変わりな舞台装置からして、

すでに唸らされる。

 

☆最高の眠りと最良の夢☆

このスローガンのもと、

主人公 本田希里が地下ホテルで働き始める。

 

また、希里の家庭は姪っ子とその父親。

つまりは、妹の子と妹の夫。

そこでも、動きがあるわけで。

一筋縄ではいかんわけで。

 

はむちゃん、やってくれたな(゚∀゚)

中々のボディーブローだぞ。

 

というのもね。

眠りのホテルという淡い感覚の狭間に、

日々の暮らしに起こる事件が舞い込む!

それも深刻な。

 

ただ、それら別次元の様な現象が、

調和するという筆力。

 

事件を詳述すべきか迷ったが、

伏せる。

 

今回この作品を読み、

幾日か経ったのだが、

筆者は何を描きたかったのだろう。

とか、

由々しき事態を、軽やかな文体にのせる作風の魅力に形容し難い感触が残っている。

寓話?

寓話的な何かなのかい?

という我が未開の領域であった。

 

リアルな現代の構造の一部を切り取りながら、

掴みどころの無い空気感をも醸し出す。

 

そんな、1冊だ。

 

ありがとうございました。

 

では、また。