幼い時分、
冥界や、極楽浄土といったものがあり、
自分という意識は、
不滅だと信じていた。
だから、人生はなんとなくこなせば良い。
一時的にやり抜けば、
いずれ、彼方に行って愉快に暮らせる。
そう構えていた。
しかし、
記憶は曖昧だが、
ある時期に、虚無を知る。
唯物史観などをみるうち、
どうやら、
人生は、投企されたもので、
選択には責任が伴い、
さらには、物質を超えた魂的な存在が、
あるとは考えにくくなってきた。
(マルクスもヘーゲルの精神の優位に関しても、僕はフラットに読んだつもり)
ドーキンスあたりを読んだら、
死後の世界というものは、
頭から吹き飛んでしまった。
だからこそ、限りある生を、
大切にして、
おざなりにせずにベストを尽くそう。
また、
短くとも閃光の様にキラリと生きたい。
このように、死生観がぐるりと変わった。
科学的視座は、冷徹に映りがちだが、
そんなことはない。
学問は須く、人を優しくするもの。
僕はそう信じている。
では、また。