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日常を怯えて過ごす人間の雑記

刺さった言葉 その13

過去を知っていると信ずるのは愚の骨頂だ。

 

われわれが過去を捏造するのだ。

 

過去に向かって立つ時、

 

われわれの眼前にあるのは、

 

無数のまことしやかな、

 

虚妄の道路である。

 

過去について、われわれは頭の中で小説を書く。

 

 

原口統三『二十歳のエチュード』より

 

 

〈こぼれ話〉

真理だとか死について悩んだ10代。

様々な夭折者の本を読んだが、

原口統三の意識には慄然とした。

「過去」という現実を悪戯に歪め、

或いは修正せんとする現代を撃つ。

他にも広がる原口統三の世界。

無数の散文に秘められた、

ただならぬ、イメージの煌めきと共に。