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日常を怯えて過ごす人間の雑記

今改めて、孤立無援の思想に立って

僕は昨年に、

高橋和巳全集 全20巻

こちらを、古書店にて購入した。

店主は、ポカンとしていたが、

理由は、僕がまだ30代ということ。

30代の僕が若いという訳ではない。

高橋和巳の全集を買う層としてでの話。

 

高橋和巳は、

1960年代に活躍し、

39歳で夭折した作家。

 

当時は、安保闘争などの最盛期。

政治思想が、学生達の中でわきあがっていた。

 

それから、時を経て高橋和巳作品は、

邪宗門』という傑作と、

幾つかの良作を除き、風化しつつある。

様に見える。

あくまで私見である。

 

僕が、高橋和巳を知ったのも、

邪宗門』であるが、

エッセイも鋭利な輝きを放つ。

 

初めて高橋和巳のエッセイに触れたのは、

『孤立無援の思想』同時代ライブラリー

 

高橋和巳は、

戦争を、

持続的な確信犯罪行為、

こう断じる。

また「滅びざる民」というエッセイにて、

文化とは、

社会の先端を切るものばかりが担うのではなくて、

矛盾と悲惨の場に耐えた人々によっても担われる。

こう述べている。

 

高橋和巳は、

孤立無援の立場になろうとも、

その思想に固執すると断言した。

 

そして、書店の棚から消えていこうとも、

僕にとって高橋和巳は、

紛れもなく現代を撃つ。

そういう存在なのである。

 

では、また。