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日常を怯えて過ごす人間の雑記

絶望と緊張こそガンダムだった

温かくなってきて、

部屋でタンクトップ姿になり、

柔軟などしながら、

棚に置いてあるスタープラチナのフィギュアを綺麗にしようかと手を伸ばす。

不意にリモコンに触れて、

TVで流れる音楽のプレイリストが切り替わり、

2022年夏に聴いていた曲が耳に入る。

昨年の終戦記念日に、記事にした、

ガンダムのテーマ曲だ。

ガンダムというと、

あまり観てこなかった方からすれば、

ロボットのバトルが印象的かも知れない、

もしくは、

豪華な声優陣、名言、キャラなど、

独り歩きしている様々なファクター。

それらを知るのみかも知れない。

 

さて、僕もガンダムを全て知っている訳じゃないし、安彦良和さんのサインを持っていながらその価値を理解したのも最近である。

 

そんな僕のガンダムとのファーストコンタクトは、美少年達が揃い、

TWO-MIXが主題歌を担当した、

ガンダムW

そして、その時のガンダムの印象はスタイリッシュなものだった。

 

なぜ、そこから記事のタイトルの様な感覚に至ったか?

 

それは、ガンダムの系譜を辿ると、

戦争という大前提、

荒廃した大地に於ける惨状、

核や毒ガス、

コロニー落とし

こうした警鐘的な概念が脳裏に焼きつくからだと思う。

 

ガンダムの冒頭、

荒れ果て破壊された星、

そこに絶望し、張り詰めた空気を感じる。

 

勿論、生命讃歌という要素を際立たせる演出としても捉えられるし、

僕は専門家ではない。

ただ、

あれを観るにつけ、

人間は事後的に悲惨な行為に焦燥し、

困惑してしまう。

ことが、ままある。

そういう怖気が背筋に流れてしまう。

 

侵略されている国。

軍備拡大にはしる巨大な渦に抗うことが、

かなり難しい世界。

 

いま一度、

我々は、否、僕個人は、

人命の尊さに立ち返って、

恒久的な平和という理想を、

僅かでも理想から現実に近づける。

そんな、

意識を持って生きたい。

 

だから、

僕にとってガンダムは、

絶望であり、

緊張の漂う存在。

 

それでいいし、

それが楔の如く胸に刺さる。

その感触を抱き続けるだろう。

 

先の大戦の体験者の方々も、

どんどん着実にいなくなってしまう。

そして、

そう遠くない将来、

ゼロになるだろう。

というか、なる。

 

その時、

人類が真摯に生きる為にも、

こういった文化、作品。

その底力や、効力が幾人かの心に響くならば、

それは、

何より重い価値を持つのではないか。

 

そう僕は思うのだ。

 

では、また。