こちらは、冬の猛威に晒されている。
外界はホワイトアウト状態。
凍てつく寒さ。
コートでは凌げない場合は、
フライトジャケットを着たりする。
例えばAVIREX。
少し前までは、
機能性より雰囲気重視でアウターを選んでいたが、守りに入った。
服装に限らず、無難な嗜好の人間にならねばと常に思って暮らし始めた。
高望みせず、堕ちすぎないよう、
中庸。
なんてね。
吹き荒ぶ雪の中で、
何もかもがどうでもよくなる。
嘗て描いたシーンは、
もう観ることは能わず。
この豪雪の地方都市に、
絶望を含有した残骸が立ちすくむ。
白から灰へ。
やがて、
黒になる。
いつか読んだ短篇小説では、
自らの血溜まりに安堵した人物がいた。
彼は、血が温かいからではなく、
紅だったから安堵したのではないか?
僕は、血の黒さを知っている。
その、昏さも。
夜も、同じくらい昏い。
形骸化した自己から、わきあがる衝動。
知らない。
他者の血が流れることで、
溜飲を下げる蛮族。
滅ぶがいい。
「ちょっと何言ってるか分かんないっす」
では、おそらく、また。