郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

とっちゃんの空

ゆっくりできる日だ。

曲を流している。

ユーミンの、

ひこうき雲」が耳に入ってくる。

この曲を聴くたび、

僕は一枚の遺影を思い出す。

一度も会ったこともなく、

交わした会話も皆無だ。

 

ただ、母方の祖母の家の仏壇の、

祖父の遺影と並んで置いてあった写真の中で

その人は、

黄色いグライダーをバックに微笑んでいる。

祖父は、母が5歳の時分に他界している。

 

往々にして、写真というものが、

残された者に印象を残す。

私見では、そう感じる。

 

件の青年は、

大学時代にグライダーに乗る事を愛し、

墜落事故で、19歳の若さで他界。

 

僕はフルネームすら聞いていないが、

ムードメーカーで、

慕われていたというその親戚の人は、

空を愛し、

とっちゃん

そう呼ばれていたらしい。

 

忘れることは、絶対ない。

 

では、また。