郵便局のおじさんは9時40分ごろやってくる

日常を怯えて過ごす人間の雑記

幸せな裏方

「でもホント、ラジオって空母みたいなのから飛び立っていって、また戻ってくるって感じがすごいありますね。」

これは、オードリー若林正恭による発言。

相手は、藤井青銅

作家・脚本家・放送作家

重鎮である。

 

僕はあまりラジオを聴かないが、

かつて新聞で藤井青銅さんを知り、

エッセイや小説を読んだ。

 

その中でも、

『ラジオにもほどがある』小学館文庫

本書に於ける、

フリートーク論が、とても印象的だった。

 

藤井さんのフリートーク論による、

〈若手芸人悪循環パターン〉

 

ネタが注目される

新人なのでTVでのフリートークが下手

与える時間が短い

トークが上達しない

さらに与える時間が短くなる

つまらないと思われる

使い捨てにされる

 

〈若手芸人好循環パターン〉

 

ネタが注目される

ラジオのレギュラー番組を持つ

フリートークが上手くなる

TVでもトークが評価される

TVで与える時間が長くなる

トークがさらに上達する

さらに与える時間が長くなる

面白いと思われる

生き残れる

 

以上の流れを作るため、

藤井青銅は、

「フリートーカー」

という造語を生み出したらしい。

 

以下は、フリートークの定義

①コンビが2人で掛け合うトークは禁止。

1人で、ラジオの前のリスナーに向かって喋る。

②漫才的なネタではない。

基本的に自分が経験した出来事を、面白おかしく膨らませて喋る。

③時間は最低5分。

出来れば7、8分は欲しい。

④なにも笑える話ではなくてもいい。

泣ける話でも、しんみりする話でも構わない。

 

こう書いてあった。

ネタバレしまくってしまい、

申し訳ないが、

巻末に、

藤井青銅×オードリーの対談!

こちらも載っている。

ちなみに、この本を知人に貸したところ、

ラインを引きまくられ、

弁償してもらうという、

僕にとっては、

珍しい事態にもなった。

それほど面白く為になるのだ。

 

そして、藤井青銅の生み出した鉄則が、

どれだけのスターを誕生させたかは、

歴史が証明しているし、

多くのラジオリスナーの方々は、

当然、熟知しているであろう。

 

幸せな裏方

 

これは、

藤井さんの著書のタイトルなのだが、

藤井さんと関わった多くの、

表舞台の人々もまた、

幸せに違いない。

 

補記

藤井青銅さんは、

第1回

星新一ショートショート・コンテスト』

このコンテストに、

23歳の若さで入賞経験をもつ。

 

では、また。