「天才だけでは、救えない。」
という広告に、
ブラックジャックが載っていた。
手塚治虫が、
脳内に煙の様にふわりと浮かんだ。
生誕90年余り経った今でも、
漫画の神様、手塚治虫。
だが、僕はそれほど読んでいない。
最初に読んだのは、
中央公論社の愛蔵版、
『ハトよ天まで』
分厚い本作は、今も手元にある。
SFではなくて民話が、
僕の手塚治虫デビューだった。
その後に、
『鉄腕アトム』
『どろろ』
『ブラックジャック』
『アドルフに告ぐ』
『きりひと讃歌』
人生で、全然読んでいない。
その理由は、
手塚治虫の作品の重厚感に、
気圧されるからかもしれない。
戦争、政治、権力、病魔などなど、
手塚治虫は、あらゆる角度から、
人間の尊厳や欺瞞を描写していると、
思う。
少ししか読んでいない僕が言えたことでは、
無いのだが。
僕は、かなり高い確率で手塚作品にびびっているのだ。
畏怖の様な。
しかし歳を取り、
僅かながら手塚作品を読む胆力がついたと、
勝手に感じた今から、
手塚治虫作品に向き合ってみたいと思う。
さあ、何から読もう。
では、また。