あれは、高校の説明会のような催し。
もう20年くらい前になる。
内容は、キャンパスで様々な教師の発表を聴きその学校の魅力を測る目的のもの。
僕は、大して乗り気ではなかったが、
オカルト好きの血が騒ぐ発表があった。
鈴木光司『リング』と怪談の歴史。
確かその様な趣旨の内容で、
都市伝説や民話、ホラー映画の推移についての考察を、モニターを使って教師が語る。
それを入学前の中学生に売り込む。
そんな企画だった。
その中で教師は、当時の僕にとってなかなか興味深いアプローチの説明を行い、
聞き入った。
『リング』について面白い内容だった話の締めくくりで、教師は言った。
「以上、お貞に関する説明でした」
おい!
貞子だよ!!
心の中で叫んだ。
お岩さんと混ざったのかな?
そんな事を思い出した。
人生、締めくくりで気を抜いてはいかん。
では、また。